-貞山運河研究所は、貞山運河の魅力を再発見し、地域振興に活かします-

貞山運河を観光資源にする為に

貞山運河を観光資源として活用するには、いくつかの条件が必要であり、以下にその主なものを示します。

(1) 安全の確保
津波の襲来には避難することが最良の策と思われます。貞山運河に集う観光客が安全に避難できるように、情報伝達の手段、避難所、避難道路などを整備しておく必要があります。観光には観光客の安全確保が何より重要です。

(2) きれいな運河の再現
貞山運河が開削された当時は、水はきれいで、水深もそれなりに確保されていたと思われます。長い年月を経て震災の頃には水質は悪化し、水深も堆積物などにより浅くなっていました。また、廃船が放置されていたり、ゴミが堆積したりして、運河の汚染が広がっていました。貞山運河のそのものの環境は悪化していたと言えます。
津波の襲撃は環境に変化を与えたかもしれませんが、改善に繋がったかどうか不明です。いずれにしても、貞山運河を観光資源にするのであれば、水質の改善、水深の確保、ゴミの除去などを行って、「きれいな運河」を再現する必要があります。

(3) 自然環境の再生
震災前の貞山運河周辺には、砂浜、干潟、潟湖、塩性湿地、クロマツ海岸林などの恵まれた自然があり、湿地植物群落や鳥類、魚類等にとっても掛け替えのない生息エリアとなっていました。また、生物多様性の宝庫でもありました。
これらの自然環境が津波により一瞬にして破壊されました。それと同時に、松並木や防潮林によって形成されていた歴史を語る景観や、干潟と生きものが調和する景観も失われてしましました。
貞山運河を観光資源にするには、これらの自然を甦らせると同時に、その保全にも力を注ぐ必要があります。

(4) 親水性の確保
貞山運河は太平洋の荒波の影響を受けないための物資輸送の航路として開発された歴史をもちます。水面は穏やかで流れはゆるやかです。それゆえ水と親しむためには適した環境と言えます。運河の観光にとって水に親しめること、つまり親水性は極めて重要な要件になります。
現在、貞山運河の復旧工事が進められていますが、復元や防災に関わる点は優先となるでしょうが、船着き場、釣り場、水辺の遊歩道など親水性に関わる点への配慮が望まれます。

(5) 歴史遺産としての価値の保存
貞山運河は開削以来、護岸などの修復工事がたびたび行われてきた。今回の津波で護岸が破損した箇所も多い。その修復の際にコンクリートなどは使わずに、昔のような石積み方式を採用するなど、できるだけ昔の姿を保つようにして、歴史の重みを残すことが望まれます。
また、貞山運河沿いには野蒜築港跡や石井閘門などの歴史遺産がありますが、これらを観光資源として活用することも想定して保存する必要があります。

(6) 集客のための環境づくり
貞山運河に観光客を集めるには、様々な施設の建設が必要になります。たとえば、施設としては休憩所、案内所、公園、イベント広場、駐車場など比較的規模の小さいものから、ホテルやレストランなど規模の大きいものまでが対象になります。また、アクセス道路の建設も必要です。
このような施設の建設には、自然環境や景観への配慮が必要ですが、スペースや制度などの制約によって、建設が困難にならないようにしておくことが肝要と思われます。

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